センター長からのメッセージ
北海道大学情報基盤センターは、本学における情報化を推進するための研究開発、情報基盤の整備、運用を行い、教育研究等の高度化を推進するとともに、情報メディアを活用した教育の実施及び支援を行うことを目的としています。本センターを構成するスーパーコンピューティング研究部門、情報ネットワーク研究部門、デジタルコンテンツ研究部門、メディア教育研究部門、システムデザイン研究部門、サイバーセキュリティ研究部門では、それぞれの特色を生かした研究開発を推進し、さらに、本センター内に設置されたサイバーセキュリティセンター、情報環境推進連携部を中心に本学の情報環境推進本部と密に連携し、本学における安心、安全かつ高性能で利便性の高い情報環境の実現に向けた研究開発を一丸となって進めています。
さらに、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)のネットワークを構成する拠点として認定され、スーパーコンピュータシステムとインタークラウドシステムから構成される「学際大規模計算機システム」を整備、運用し、先端的な学際共同研究を支援するとともに、日本における革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(High Performance Computing Infrastructure, HPCI)にスーパーコンピュータの計算資源を提供するシステム構成機関として、計算科学、計算機科学、それらの応用分野に関わる共同研究を幅広く支援しています。
本学を含む国立大学法人は、今年度より第4期中期目標期間に入りました。そこでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が重要な課題の一つとなっており、そのために必須となる情報基盤の拡充が求められております。本センターの学際大規模計算機システムについては、常に計算資源が不足し研究の実施にあたり支障をきたしており、今後のDX推進に必要となる需要増も想定すると、大幅な性能向上を実現する必要があります。また、これまでの計算シミュレーションを中心とする大規模科学技術計算だけではなく、人工知能等を活用したデータ駆動型の研究を推進することが特に重要です。第4期中期目標期間中において、我々がこれまで構築、運用してきたスーパーコンピュータシステム、インタークラウドシステムと大容量のストレージ基盤や超高速ネットワークを密に連携させ、新たな研究ニーズに対応できるシステム基盤として大幅に拡充する計画で進めております。さらに、第4期中期計画中の目標の一つとして、学際大規模計算機システムを活用した国際共同研究の推進が挙げられており、国際連携や海外の研究者との共同研究についても推進する所存です。
研究DXについては、単なるデジタル化に留まらず研究手法自体の変革を意味しており、本学においても関連するタスクフォースにおいて議論が進んでおりますが、その実現のためには根本に一度立ち返る必要があると考えます。我々大学の研究者がそもそも何のために研究をしているのか、公的機関や民間企業等の研究機関と共通する部分・異なっている部分はどこにあるのか、大学生・大学院生の研究活動への積極的な関わりをどう促していくのか、さらに社会全体に対してどのようにその成果を還元していくのか等、高等教育機関としての役割を整理しつつ、それら大学における研究活動全体を情報基盤センターの立場としてどのように支援していくべきかを深く考えつつ、今後のシステム環境整備、サービス提供、人的支援体制の構築を含めて検討して参りたいと存じます。学内外の皆様の一層のご指導、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。